海外の投資信託ってどうなの?(アテナベスト、RL360、インベスターズトラストなどの海外金融機関について)
- 内田昇吾 うっちーの相談所・
- 4月2日
- 読了時間: 13分
更新日:5月6日
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皆さんも友人知人などから、「海外金融を通して投資信託や海外ファンドに投資すると利回りが良いよ!」という紹介(勧誘)を受けたことはないでしょうか?
この類の方に最近よくお会いするので注意喚起の為、ブログに記しておこうと思います。
具体的に会社と商品名をオススメできない順に挙げておくと主に下記の3社です。
1⃣ アテナベストのアベニュー(旧メティス):Athena best / avenue (旧Metis)
2⃣ RL360のRSP:RL360 / Regular Savings Plan
3⃣ インベスターズトラストのエボリューション:Investors Trust / Evolution
先に結論をお伝えするとこれらの会社は、日本人の契約者も多く歴史ある会社で詐欺ではありません。公的な格付機関から投資適格としてAランクの評価を得ています。が、僕の主観では、まったくオススメできない商品です。オススメできないのには、理由が大きく4個の商品上の理由と+1個の外的理由ありますので、それぞれご説明します。
~海外金融機関による投資信託(証券投資)がオススメできない理由~
①各種手数料が高すぎる
②手数料が高いのに元本割れリスクも高い
③途中解約時の解約手数料負担が超高額
④税制面での不利
⑤紹介者はもちろん講師ですら金融についての見識が狭く浅い
①~⑤をつみたてNISAと比較しながら解説していきます。
難しいことは書きませんので、1⃣ 2⃣ 3⃣の会社の商品の契約を考えている方、もう契約してしまった方、または紹介活動している方は良く考えて下さい。特に紹介している方は、「投資は自己責任」とはいえ、無自覚に被害者を量産する事になるので、自らの良心に基づいて本当に良く考えて下さい。
⚠️①各種手数料がいくらなんでも高額過ぎる❗️💦
これらの海外金融機関を介した投資信託の最大の問題点は、手数料体系が非常に不利である事です。各種手数料が複雑で、主に契約時の初期手数料、年会費、運用管理費、解約手数料など、様々なコストが発生します。合計すると年間運用手数料は3.5%から下手すると5%越えになってしまう事もあります。特にアテナベストは運用コストが高額ですし、RL360に至っては仲介業者独自に追加手数料を設定できてしまう部分があるので、こうなると知識のない消費者が全体を理解することは極めて困難になります。仮に年利8%で運用できても、年間運用手数料が3.5%なら、その差の4.5%しか利益を出せないことになります。更に海外口座で運用しているので、投資時の両替と出金時の往復両替で約3%、送金手数料等が別途発生しますが、これだと本当に10%以上の運用実績があっても2, 3%しか手元に残りません📉
ちなみにつみたてNISAで、全世界株式やS&P500のインデックスを購入すると手数料は0.1%以下ですし、マグニフィセント・セブンやナスダック、ブラックロックの手数料高めの投資信託を購入しても手数料は0.5%前後です。
※マグニフィセント・セブン(Magnificent Seven)とは、米国株式市場をけん引する主要テクノロジー企業群のことで、「Google」「Apple」「Meta Platforms(旧Facebook)」「Amazon」「Microsoft」の「GAFAM」と呼ばれる主要5社に、「TESLA」と「NVIDIA」を加えた7社
仮に3万円/月の積立を25年行った場合の元金は900万円です。それの4%が手数料であれば、総額600万円程が手数料として徴収されます。それよりも増えている分が契約者の運用益となります。この手数料分のサービスの提供がされていると言えるのかが問題です。されていると言えないのであれば、ただのボッタクリです。
あと「ポートフォリオマネージャーに委託して運用してくれる!」というセールトークがありますが、「優秀なポートフォリオマネージャー」に面倒見てもらえないと無意味です。この手の金融機関やIFAのポートフォリオマネージャーより、指数に連動するインデックス型投資信託の方が運用性成績が良いのが業界の通例です。
※この手の金融機関のポートフォリオマネージャーで優秀な方はあまりいません。優秀なポートフォリオマネージャーはもっと大きい資産運用会社や保険会社に在籍しています。実は、成長して優秀になったらスカウトされたりキャリアアップされたりするから居なくなるのです😅
極めつけは、海外金融で買えるインデックス型投資信託で買えるものは、正直言ってほとんど同じ内容のモノがNISA口座で買えます。「いや、それが素人だからわからないんだよ!」と思う人は、そもそもこの手の海外投資信託も購入する知識に至っていません。
ちなみにiDeCoの平均的な運用利回りは3~5%です。それなら欲をかかず、iDeCoで全世界株式のインデックスを購入した方が合理的と言えます。仮に海外投資信託で8%で運用されたとしても手数料が4%なら8-4=4%の運用益になってしまいます。iDeCoは税制優遇制度があるので、その分この手の海外投資信託よりも運用成績以上に優秀な制度です。
基本的に投資信託を購入するなら「大正解」を目指さずに、「最適解」を選んでいく投資手法です。そうすると自然に投資先は同じような内容になっていきます。それなのにわざわざ10~100倍も高い手数料払って海外金融機関で運用しているのか意味不明です。
⚠️②手数料が高いのにも関わらず元本割れリスクも高い❗️💦
手数料が高い分サービスが充実していれば、目を瞑ろうとも思えますがそんなことはありません。下記の文章はとある会社の約款の一部なんですが、海外金融機関を介した投資信託を紹介している組織は、どこでもこれに類する誓約書への署名を軽いノリで迫ってきます。
(僕の相談者は「皆が署名してる書類だから~」みたいな感じで紹介者に軽く署名を促されたそうで、怖くなり相談してきてくれました。)
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信託会社およびプランに対するお客様の理解確認
私は、当プランが1,元本保証型のプランではなく、利回りの保証もないことを理解しています。私は当受託会社と当プランが((提供会社名))にて登録を受けた信託会社ならびに信託プランであることを理解しています。私は、2,このプランに関連するあらゆる情報や書類はすべて私の要求によるものであること、このプランの契約は私の判断によるものであることをここに確認します。私は、 プランの提供者より提供されるプランに関する書類、お知らせ、情報等はすべて英語で書かれていること、またプラン購入前にそれらの書類、お知らせ、情報を理解するにあたって3,必要に応じて専門家の助言を求めることは私個人の責任であることを認識しています。
私は、((提供会社名))が提供する本信託プランについて、私への紹介その他媒介をした者(以下「媒介者)がいる場合、その者は((提供会社名))を含む如何なる者からも、また(((提供会社名))から何らかのサービス提供業務の委託を直後又は間接的に受けた如何なる者からも、如何なる依頼、委託、要請または指図を受けたことも、またかかる者からの受託をしたことも一切ないことを確認に了承します。4,媒介者は、専ら私からのみ受託を受け、専ら私のためにのみ忠実に、如何なる利益相反をも有することなく、その受託業務を遂行するものです。
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この書類に署名すると簡潔に言うと大きく4つのことを了承することになります。
1,こんなに高い手数料払ってるのに元本確保機能、最低利回り設定がない事。
2,こんなに複雑で特殊な契約を、消費者の判断で資料請求から契約まで独自にした事。 3,自己判断できない時は、専門家のセカンドオピニオンするのは消費者の責任である事。
4,このプランを紹介してきた人は、プラン提供関係者から依頼や指図を受けておらず、
消費者の為だけに公正に活動している事。
一言でいうと「全てのリスクを消費者に背負わせた契約」です。
この投資はドルコスト平均法による積立投資なので、満期間近にコロナショックやリーマンショックのような大暴落が起こると資産の3、4割近くが消失する可能性があります。
人生の後半で不相応な高過ぎるリスクを背負う事になり、失えば取り返しがつきません。
4に至っては「そんなわけあるかい!」と全力でツッコミを入れざるを得ないのが実態です。紹介者は、プラン提供会社かその関係組織から教育を受けて、自分自身への紹介料の為に紹介活動をしています。消費者の為に忠実に利益相反しないなんて土台無理な相談です。
ただ実はこれらの要素は、先述した点はつみたてNISAも同じです。元本確保はありませんし、投資信託や個別銘柄の購入は自己の裁量で行う必要があります。専門家に個別相談するのかしないのかも自分の判断で行い、満期はありませんが積立後半時の大暴落に無防備な事も同様です。ただしリスクに大差が無いなら、手数料の安いNISAを選択すべきというのが僕の考え方です🤔
※どちらにしろ今一度よく考えほしいのは「証券投資は利益を出せてるのは少数派」という厳然たる事実です。
⚠️③途中解約時の解約手数料負担が高額過ぎる❗️💦
先に挙げた3社は、契約後に投資内容を変更したり、減額や解約することに制限が設けられています。また一定期間の継続が義務付けられ、中途解約には高額な解約金が設定されています。例えば、契約期間(多くの場合20~30年)の半分も経たずに解約すると、まず間違いなく確実に元本割れ起こしますし、5年前後なら約100万円は積み立ててるはずなのに全く戻ってこないと言って差し支えない額しか返金されません。生活環境の変化により、支払継続が出来なくなった場合に大きな損失を被ることになるという問題点があります。
ちなみにつみたてNISAでは「信託財産留保額」がいわゆる「解約金」に相当するものですが、①で先述した投資先でしたら0円です。また「自由に調整出来たら資産形成できるのか?」という疑問点は残るものの、積立金額の変更、銘柄の変更、短期売却等に金銭的負担はありませんし、売却後に積立を再開する事も可能ですのであらゆる面で優れています。
大事な事なので何度も言いますが、本当に何の為に不便であらゆる手数料負担の大きい海外金融機関をわざわざ好んで選択し運用しているのか意味不明です。
⚠️④税制面での不利😥
たまに「海外金融機関で投資したら納税義務は無い」と説明しているヤバい紹介者がいます。が、そんなことはありません。海外金融機関を活用しても日本に居住している者には、「資産を自分の口座に移すと増えた分に対して」課税されます。これを確定申告時に申告しないと脱税に当たります。
つみたてNISAは言うまでもなくこの点は非課税です。また新NISAに変更されてから、運用期間や金額の拡張、非課税枠の再利用も可能な高性能な証券口座になったので、何度も何度も言いますが、もはやこの手の海外金融機関を使って運用を紹介している人の思考回路が全く理解できません。
⚠️⑤紹介者はもちろん、講師ですら金融についての見識が狭くて浅い😡💨
最近アテナベストの講師として紹介をしている数人の講師にお会いしたのですが、「会社が用意した課程があって早い人だと3カ月、遅くても1年もあると講師として活躍できるんです!」と自慢げに言っていました。その人も1年足らずで講師になったそうですが、話した感じ正直言って国内外の金融業界について真剣に勉強している印象は受けませんでした。
マルチレベルマーケティングの組織を作って、会社が用意した教材を使って、短期間でアテナベストの商品を紹介する為に得た付け焼刃のような知識で、他人に海外金融機関による高リスク、高コスト投資信託オススメして、設計書は過去実績でもないのに運用率10%で話をするそうです。無責任にも程がある!😡💨
特にアテナベストの紹介者は、投資案件はアテナベスト以外には関わらないと誓約させられているので、それしか紹介する事ができません。収入はそこから出ているので辞める事が出来ませんし、下手すると下部組織も作ってしまってます。仮に優良案件を見つけても今更、「もっと良いの見つけました!」なんて言えませんし、そもそも自分もそれに投資しているので確証バイアスがかかりまくりです。紹介者に会ったら試しにアテナベスト以外の話を聞いてみて下さい。大して勉強してないので他の事はな~~んにっも理解してませんよ。
逆に理解していたら他の商品に投資します。その方が合理的ですから┐(´∀`)┌
彼等にド直球で「あなたはアテナベストの営業マンですか?それともファイナンシャルプランナーですか?」と質問してみたら、「ファイナンシャルプランナーです。」と回答されたので、「では、仮にもっと良い商品見つけたらどうするんですか?それでも自分の既得利益の為に今の商品を紹介していくんですか?」と質問したら沈黙してました。つまりそれは自分達の売上の為に見て見ぬフリをする訳です。これが彼等の正体です。金融庁無認可の商品を扱っておきながら、これでファイナンシャルプランしてる風を装うわけですので、正直どうかと思っています😮💨 それでいて当人達は、「日本人は金融リテラシーが低いので、海外の金融知識を広めていきたい!」みたいな志を持たれていました。まさにアテナベストしか紹介できない情報弱者が他の金融情報弱者を悪意無くカモにする構図で、こうやって被害者が量産されていくのです。またこの類の紹介者や組織は、短期で活動を停止して連絡が取れなくなってしまうことも珍しくありません。そうすると契約が宙に浮いてしまい満期時でも解約が難しくなってしまいます。20~30年後に資産があるのに引き出せないのは背筋が凍りますね。
投資信託を購入するのは、個別銘柄を選んで高配当を目指すのではなく、特に日本人の性格では本質的にリスクを極力避けたいという運用方法です。それなのになんで偏った知識で責任感のうっすい人に説明された超高リスク投資信託を、わっざわざ海外金融機関に高額手数料支払ってまで投資をするのか意味不明でしかないです。
🌟結論:特に上記3社を使った海外投資信託は高リスク&高コストの為、日本のつみたてNISAよりも圧倒的不利!!
~補足~
僕は海外金融機関を使うことを一概に否定していません。オーストラリアに住んでいたこともあるので海外金融機関の低リスク&高金利の魅力は十分に知っています。ですから、海外金融機関を使った高リスク&高コストの投資信託で積み立てをすることを否定しています。
運用が悪くても手数料は確実に発生します。同程度のリスクなら低い方が合理的です。
ちなみにインベスターズトラストのエボリューションを少し擁護しておくと、新NISAが出るまではアテナベストやRL360よりも手数料が安く、解約金の規定も緩く、選択できる投資先はとても多いのでそこまで悪くはない商品でした。が、時代の流れで良い商品は変わってしまうのです。ちなみに同社の商品にS&P500インデックスに連動した商品がありますが、こちらは高い手数料の代わりに元本確保機能が付いているので、今でも需要によっては一定の合理性があります。
~オマケ~
海外金融機関の投資信託に関して参考になる動画を紹介します!
◉海外金融機関の投資信託手数料について(海外不動産のホントのトコロさん)
◉各社の解説(僕がお世話になっている深井良祐さんのYouTube動画チャンネルでんす)
(僕が会ったアテナベストの人は「メティスとアベニューはほぼ一緒」とは言っていました。詳しい方教えて下さい。) RL360(旧ロイヤルロンドン)/Regular Savings Plan インベスターズトラスト/エボリューションの解説
◉4403はITA社のS&P500否定してますが、商品の本質を理解していない元証券マンのポジショントークに聞こえます。満期時、万が一の暴落に強いのは高い手数料を払うだけの価値があります。また強制的に引き落としがかかるのは、資産形成時には重要な要素です。 https://www.youtube.com/watch?v=sUB6nV4iFp0&t=1001s
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